ふらつき診療のカギは "音叉"!!
"ふらつき" の名医は、○○を持っている?
- ふらつき診療のマストアイテムは、音叉(おんさ)です
ふらつき診療は、脳~頚髄~腰髄のMRIを撮影して、糖尿病もなければ、ふらつきのはっきりした原因はクリニックレベルではわかりません。
原因がなければ、ふらつきの原因は、加齢ということになります。
それを診断するのが音叉(おんさ)なのです。
- 音叉をくるぶしに当てて、揺れているのがわからなければ加齢のふらつきの事が多いです
- 加齢性の深部感覚障害ということになります
ふらつきの真の原因は?
- 高齢者ふらつきの真の原因は、ほとんどが "加齢性の深部感覚障害" です
ふらつきの原因は、ほとんどが加齢です。
でも、検査もせずに加齢性と言っても、患者さんは減るだけです。
"年だから仕方ない" は禁句
- "年だからね" と諦めを示唆すると、患者さんが減ります
- "年も年だから" は患者さんに言ってもらう言葉
"年ですよ" は患者さんがイチバン嫌う言葉です。
"年だから仕方ないです" と言うと、その患者さんは来なくなるかもしれません。
いろいろ検査して、
やっぱり難しい・・
という風になれば、その姿を見て、患者さんも
いいよ、年だからね
先生、一生懸命みてくれてありがとう
と言ってくれます。
- "年なので仕方ない" と言うと患者さんが減ります!
- "年なので仕方ない" と言っていいのは患者自身のみ!
ふらつきの原因を検索
- 脳 → 神経診察 or 脳MRI
- 頚髄→ ロンベルグ徴候 or 頚髄MRI
- 腰髄→ ロンベルグ徴候 or 腰髄MRI
- 足の神経→音叉!!
- 原因不明なら "PPPD" を疑う
- その他(糖尿病、ビタミン不足、神経疾患)
脳を調べる!
MRIがあるクリニックなどほとんどありません。
内科、整形外科で、ふらつきの相談を受けたら、神経診察をして問題なければ、それを伝えてみましょう。
それでも「多分いいと思う」くらいしか言えません。
頚髄・腰髄 を調べる!
MRIが撮影できない中で、頚髄はレントゲンでもわかる事があります。
ロンベルグ陽性で、頚椎症があれば、「頚椎が原因のひとつ」と言えば納得感があるかもしれません。
腰髄は、レントゲンでは病気がホントにあるのかないのか、正しくわからないので、適当な事を言うと、あとでMRIがある施設で診断がついて、患者さんからの信用を失うことになりかねません。
足の神経を調べる!
音叉で "深部感覚障害" を引っかけます。
超高齢者でロンベルグ陽性、音叉で振動覚が低下していたら、ほぼ "加齢性の深部感覚障害" のふらつきでしょう。
これで、納得感が得られれば患者さんの信頼を得る事ができます。
これは一般内科でも可能で、受け入れやすい診断方法です。
最近は "PPPD" もあり得る
原因不明のふらつきは、PPPDもあり得ます。
PPPDは、2017年に発表された疾患概念です。
SSRIが効きます。
開業医のふらつき処方って?
- ビタミン剤くらいでごまかしていますが、漫然と投与してはいけません
- 整形でも、ふらつきにリマプロストとメチコバールが処方されますが、効かないことが多いです
- 漢方も著効はしません
ふらつきに対して、薬をあれこれしても、少なくとも著効はしません。
リマプロメチコ、漢方(半夏白朮天麻湯)でも効果は限定的です。
納得する説明ができれば名医爆誕!
- 納得感のできる説明ができれば、クチコミで良いウワサが広まります
- 患者さんが得意になって近所に話します
納得感のある説明は、ストーリー性があります。
ココを疑って、この検査をして、原因がわからなかったから、次はココを調べた、みたいに流れがあります。
それはある意味、推理小説のようなもので、患者さんも一抹の期待感もありながら検査を受けることになります。
犯人を追い詰めようとしたが、そこに犯人はいなかった、のようなストーリーが患者さんにも理解されれば、得意になって近所の人に話します。
近所の人は
あそこの先生は、そこまで一生懸命にやってくれるんだ
と思います。
それが、SNSでは伝わらない、硬くて良い評判につながります。
まとめ
- ふらつきのマストアイテムは音叉(おんさ)
- どんな主訴も一生懸命に診察しよう
- 治そう、納得してもらおう、という真摯な気持ちはきっと伝わる
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