クリニックが流行ってくると、患者さんが立って待ったりしています。
そういう時、「もっと待合が広ければよかったなあ」と設計に対して後悔すると思います。
広い待合を作る必要ってあるんでしょうか。
【結論】広い待合室は不要
- クリニックに広い待合室は不要
- 20人が座れれば、それ以上は不要
- 20人で座席が少なければ、診療が遅い事を改善すべき
結論から言うと、「広い待合室は不要」です。
外待合の目安は20席と思います。しかもスペースはやや狭めでもOKです。
あとは中待合をやや広めにして、小さな診察室をいくつも作る方が効率的です。
混んでいるクリニックを見ると、待合が狭すぎて、立って待っている患者さんもいます。外待合が広い方が患者さんがゆっくり待てて良いのではないか?と考えます。
そういう時に「このクリニックは待合が狭すぎるから自分のクリニックは待合を広く作ろう」と必ず考えます。
そこが落とし穴です。
その「待合で立って待っているクリニック」は、「待合が狭い」のではなく、「診療の効率が良くない」のです。
では診療の効率を上げていくにはどうしていくのか?を考えていくのがクリニック経営の醍醐味なのです。
助手ちゃん
ごま氏
立つ程待つようなクリニックは、待合が狭いんではなくて、診療の流れを改善するべきなんだよ
外待合が広くても収益は上がらない
外待合が広いクリニックを見ると、豪華で悔しい気持ちになるかもしれません。
しかし本当に広くするべきは、収益を生み出す診療部門です。
しかもひとつひとつの部屋は狭くても構いません。
狭い部屋を大量に作るべきなのです。
その方が診療のスピードが速くなり、結果として多くの患者さんを診察できます。
クリニック経営で成功するためには、歯科診療方式を学び、鵜飼(うかい)の鵜(う)をたくさん育て、自分が上手な鵜飼になることなのです。
助手ちゃん
ごま氏
中待合が広くても収益は上がらない
中待合が広くても収益は上がりません。
ただ、診察室にグッと近づくため、外待合が広いよりも、中待合が広い方が有利です。
会計と受付を済ませるだけの外待合は、極限まで狭くてOKなのです。
助手ちゃん
ごま氏
外待合が広いのは豪華な受付感を出すための演出だね
広い外待合でイベントをやりたいという方へ
広い外待合があると、健康講座や患者さん向けのイベント、地域のイベントなどができるスペースになるのでは、と考える方もいるのではないでしょうか。
余裕があればイベントを見越して広い待合にしても良いのかもしれません。
しかし、イベントのために外待合を広くするという考えは誤りです。
クリニックのイベントなので、参加費を高額にするわけにもいかず、イベント自体の収益はほとんどないものになります。
そうは言ってもイベントの宣伝効果でクリニックの集患につながるのでは?と考える方もいるでしょう。
これも結論を言うと、クリニック主催のイベントと本業の集患とはほとんど関係ありません。
イベントも込みでクリニックが評価されるかと言うと、決してそういうわけではなく、クリニックの実力が評価されます。
またイベントを開催をするにも1回1回、労力が必要です。
他の方にイベントを仕切ってもらうにしても、クリニックを利用する以上は誰かいなければいけません。
その方の賃金を時間外で出すことになります。またドクターがその場にいるのなら少ない休みを削ることになります。
それ程の頻度ではイベントは開催しないというなら、そのスペースはそもそも無くてもいい話になります。
また、広いスペースがさみしくならないようにイベントの参加者を集めるにも毎回労力が必要になるため、次第にイベントは開催されなくなるかもしれません。
何かイベントをやるにも、狭いスペースでこじんまりとやる方が、参加者を集めるのも苦労しません。
助手ちゃん
ごま氏
イベントは健康講座などであればどんな狭いスペースでも十分できるよ
理想的なクリニックの間取り
- 結局、診察室がたくさんあるのが理想的
いろいろ考えてもやっぱり歯科診療方式になってしまいます。
まとめ
- 外待合が広くても収益は上がらない
- 診察室をいくつも作って高速回転
- 診察室の出入りをスムーズにするために中待合を広くする
- 「待合が狭い」と感じる場合は、それは「診療の効率が良くない」と考えるべき
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