肩書社会に縛られるクリニック
- 肩書き好きな日本では、肩書き以外の事をやると煙たがられる
- 肩書きを元に集患戦略を練りましょう
課長、部長、などの役職はもちろんですが、
意外と職業の肩書きも大切にします。
自分の科 以外の事をやると他のクリニックから嫌がられます
- クリニックでは、ひとつの科に特化する方がラクです
例えば、内科での高血圧の処方で、肌にアレルギー(薬疹)が出た時に、皮膚科を紹介した方が患者さんは安心する反面、もうひとつ別のクリニックに行くのが面倒くさいと感じます。
どこまで診るのが正しいのでしょうか?
正解は、"診療が正しければなんでもOK" ってことです。
ただ、日本は個人の能力よりも肩書きを重んじる文化なので、自分の専門科以外を見ると、とても嫌がられます。
これって、やりにくいですよね。
でも患者さんが納得して、結果に感謝しているようであれば、そのままそのスタイルを続ければ良いんです。
- 患者さんが結果に満足している限りは、専門外の診療でも継続すれば良い
- 地域でそのうちバズって同じ主訴の患者が集まる
専門科でも同じ診療であれば、専門外の診療でも患者さんは納得
- 専門外でも合っていればOKです
- 患者さんは納得して、むしろ1箇所でまとまって都合が良いです
- でも、同じ診療をされた側の専門クリニックは嫌がります
自分の科以外の診療をコツコツと他のクリニックに回していると、自分の専門の患者さんが他のクリニックから紹介されるようにはなります。
自分の専門だけでクリニックを回していければ一人前とも言えます。
- 他のクリニックから自分の専門を回してもらえなくなる
重複している分野は、結構カオス
- 同じ病気を複数科が専門にしている時は患者さんの奪い合いです
- 患者さんのイメージを誘導した者勝ちなところがあります
重複している分野
- スキンケア(美容皮膚科vs美容外科)
- 甲状腺手術(外科vs耳鼻科)
- めまいふらつき診療(耳鼻科vs神経系)
- しびれ(整形vs神内)
- 痛み(整形vs神内vs麻酔科)
- 頚椎手術(整形vs脳外)
- 腰椎手術(整形vs脳外)
- 頚動脈プラーク(脳外vs循環器)
- 糖尿病内科の腎臓診療
- 腎臓内科の糖尿病診療
- 顔面がん(耳鼻科vs口腔外科)
- 認知症(神内vs精神科vs脳外)
- てんかん(小児vs神内vs脳外vs精神科)
- 肝臓がんTAE(消内vs放射線科)
同じ臓器を複数科で見ている場合と、同じ症状を見る場合があります。
いかなる検査をやっても症状の原因がわからない場合(特に"高齢者のふらつき"で多い)、どの科が診てもOKってことになります。
“ふらつき界隈” でインフルエンサーになろう【優しさで儲かる2019】器質的な異常がある場合でも、正直、手術適応がなければ、薬物治療ということになるので、診断さえ合っていればどの科が見ても患者さんが不利益になることはありません。
あとはカリスマ性。
どれだけのインフルエンサーか、ということです。
注意すべきは低侵襲手術
- "年のせい" にして薬で粘ると、突然患者さんが消える
- また再来したときに低侵襲手術で症状が改善していて立場がなくなる事がある
患者を逃したくないあまり、痛みやしびれの患者さんに "年も年だし手術は無理" と言って、自分のクリニックで薬物治療を継続する場合も多いです。
しかし、今は低侵襲手術があるため、結構オペ適応の年齢が広いです。
高齢者であっても手術適応があったりします。
その場合、手術は無理、と医療者側で決めつけていると、突然患者さんが通院しなくなり、どこかで手術をやって症状が劇的に良くなっている事があります。
その時は、薬で粘り、"年も年だし" とネガティブな内容を伝えたことに対して、相当マイナスの評判を立てられている事を覚悟した方が良いです。
リスクを避けるためには、危なそうな患者さん(手術適応は無い、と言ってあとから問題になりそうな患者さん)は、専門科に相談しますね、と言った方が、患者さんの信頼を保ち続ける事ができ、長期的には得することになります。
専門科に聞いた方が良いもの
- 肩の手術(関節鏡)ー整形コンサル
- 膝の手術(関節鏡)ー整形コンサル
- 頚椎症の手術 ー脳外コンサル
- 腰部脊柱管狭窄症 ー脳外コンサル
- 認知症(シャント)ー脳外コンサル
ピットフォールとしては、高齢者の手足のしびれ(頚椎と腰椎)は、脳外にコンサルした方が患者さんが満足する可能性が高い、ということです。
- 頚椎と腰椎の手術は、整形外科の手術適応は狭く、ちょっと高齢なら整形は手術しません
- 脳外は、顕微鏡手術で、整形ではできない低侵襲手術をするので、脳外コンサルせずに "年も年だから" と薬物治療に回すとあとで患者さんから信用を失う場合があり、一度 脳外コンサルが無難です
まとめ
- 自科以外の診療も内容が合っていればOK
- 自科以外の患者さんを積極的に専門の他院に紹介すると、自分の専門分野の患者を紹介してくれる開業医のシステムが無言で機能する
- 頚椎と腰椎は脳外コンサルが無難
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