患者さんのウィキペディアを作る事で、見えてくるもの
クリニックのビジネスモデルは、"フォロワーのビジネス" です。
SNSやオンラインサロンとあまり変わりません。
- 患者さんの情報(家庭、職業、生活スタイル、好きな物、交友関係 etc)を詳細に記載したページのことです
- そのページを読むと、患者さんをよく知る事ができます
目次
フォロワーを作るには、その患者さんを良く知る
- クリニックが悩み相談室みたいな感じになると、何でもかんでも受診して患者さんが爆増します
- そのためには、患者さんの生活を継続して把握する必要があります
生活を把握するためには、医者ひとりの会話からでは無理です。
スタッフ一丸となって聞き込みましょう。
- 電カル内に専用の情報欄を作って、みんなでカキコミしましょう
スタッフの誰もが書き込めるカルテ枠があると便利
- 電カルの "申し送りメモ欄" を活用しましょう
- 電カルとカウントされない欄の使用が便利です
カルテの欄に書いてしまうと、当然、個別指導の時に大変な事になります。
カルテとは見なされない申し送りメモ欄に記載しましょう。
- 書いた人がわからない方が突っ込んだ情報が書き込めます
本当に病気で悩む患者さんはごく少数
- 人の悩みの多くは、人間関係(家庭・職場)です
- 健康で悩んでいる人は、しっかりとプロとしての意見を提案しましょう
かかりつけ通院の理由は、月1回の挨拶です。
月1回はコミュニケーションの時間です。
月1回、一言ずつ情報を収集していきましょう。
眼科、耳鼻科、は病気で悩んでいますが、長年の間、点眼通院の人などはもう惰性です。
高血圧で通院中の患者さん
高血圧で通院している患者さんの1番の悩みは血圧ではない事が多いです。
- 3人暮らし(本人・夫・長男)
- 夫 胃がんが見つかる
- 長男 発達障害
こんな記載ができれば、その患者さんの事をよくわかってあげてる、わかってあげようとしてるんだなーと思います。
困っているのは、血圧ではなくて、夫と長男の事と、将来自分たちがどうなっていくのか、と思います。
- "旦那さんはその後、手術とか決まりましたか?"
- "お子さんは変わりないですか?"
と、継続的に一言ずつあるだけで、全然違います。
患者さんの回答を、サイドストーリーをカルテにまとめていきます。
試しに覚えている情報の中で、一言お尋ねしてみてください。
患者さんの表情がパッと変わります。
近隣がおじいさん先生ばっかりでは、そんな事聞いてくれるお医者さんなんて周りにいないのですから。
突っ込んで聞いてもだいたいセーフ
- 笑わず、リズム良く聞ければ、イヤな風には受け取られません
- "それって診察と関係あるんですか?" はまず言われません
ツラい家庭環境などをほじくられても、表情をキチンと相手に合わせればOKです。
アスペの先生だと、難しいかもしれませんが、そんな高いコミュ力が必要というわけではありません。
マスクを装着して、共感ことばを混ぜていけば、どれだけ突っ込んで聞いても怒られる事はないように思います。
- じゃあ、お薬出しておきますので、次回1か月後でお願いしますね、ってサクッと言ってください
必要なのは、提案力
- "じゃあどうしたらいいんだろう" を考える
- 共感だけで終わらないようにする
共感だけで終わると相手も不完全燃焼かもしれません。
キチンと前向きなコメントをしましょう。
- "そうなんですね"
- "なるほど・・・それは大変ですね"
↑↑ これでもダメです。
- "なるほど・・・じゃあどうしたらいいかって言うと、、難しいですよねえ・・ちょっと他の先生にも聞いてみますね"
↑↑ こんな風に、"じゃあどうしたらいいんだろう" って常に考えてあげてください。
- 医者というより個人として、患者さんの家庭や職場の悩みをどうにか解決策を考えている、という姿勢が大切
- そんな事してくれる医者は地域にあんまりいません
聞くだけで満足する患者さんにはコメディカルに担当してもらう
- いつもの患者さんで、聞くだけで満足して帰りそうな患者さんはコメディカルに聞いてもらって帰しましょう
- あとでメモ欄を読んでおけばOKです
医者の時間は有限です。
時間を有効に活用しましょう。
そして爆益を上げるために患者さんをバシバシ回しましょう。
- スタッフは聞き込みに留めて、積極的な提案は医者、というサイクルの方が無難かもしれません
- スタッフにそこまでの負担をかけるのはよくないように思います
医者の一言を聞きたい患者さんは多い
- 生活や家庭の悩みであっても、専門家の視点から見た一言を欲しています
みなさんも弁護士さんや刑事さんなどの専門の職業人に、自分の生活の悩みとか聞いてみたいと思いませんか?
または、センスある人たち(カリスマ、大企業の経営者、有名Youtuber、など)の切り口から、自分の悩みについて意見が欲しいと思った事はありませんか?
でもそんな人たちは近くにはなかなかいませんし、相談料がかかる事が多いです。
そんな中、お医者さんは、少ないコストで意見が聞ける、数少ない職業人なのです。
- 病気よりも、そっちの方で悩んでいる事が多いです
- スタッフに聞いてもらいましょう
- あからさまに混んでいる時は、"他の患者さんを先に診てきますね、続きを看護師さんに聞いてもらって、後でまたお伺いしますね" でOK
- 用事がある人は、患者さんの方から "この後用事があるんで、今日は一旦帰ります、忙しいのにすみません" ってなります
- コメディカルに聞いてもらうだけでスッキリして帰る患者さんも多いです
無記名で患者さんの事を書けると、スタッフの士気が高まる
- 好き勝手に患者さんに対する主観を書けます
- スタッフ同士がその患者さんの事を話題にすることで士気が高まります(なぜか・・・)
- Wikipediaが発達したのは、情報のソースが無記名だからだと思います
無記名で書けると、開放的にその人の事が記載できます。
ちなみに当院では・・・
- カワイイ! アラサーに見えない!
- アザが絶えない・・DVある?
- メンヘラが爆発
- 語尾の吐息がいつもエモい
などなど、パワーワードが豊富過ぎて、電子カルテと認められない欄にしか書き留めておけません。
昼休みに、スタッフが患者さんの事で盛り上がり、クリニックや通院する患者さんに愛着が湧いてきます。
これもスタッフが楽しく勤務できる労務管理のコツだと思います。
- スタッフ入職時には、"当院で知り得た秘密については一切・・・" という内容の署名をキチンとしてもらいましょう
- 情報漏えい保険(格安)に加入しておきましょう
- スーパー大事です
- 理由は今までの内容からお察しの通りです
キチンとウィキペディアを確認する
- スタッフ一丸となって作ったウィキペディアカルテです
- 医者はキチンと読んで把握しましょう
ウィキペディアカルテは読んで活用してこそ価値があります。
ウィキペディアカルテに書いてある患者さんのお困り事を、次回診察までに何か解決策がないか、考えてあげましょう。
ネットのページを印刷しても良いです。
患者さんを診察していない時に、その患者さんの事をキチンと考えている事をお伝えしましょう。
- そんなクリニックはほぼありません
- 特別な治療や検査や専門性がない保険診療同士で差がつくのは、もうこの提案力だけです
まとめ
- 患者さんの悩みは病気ではない事も多い
- スタッフみんなで聞き込み調査して、患者さんのウィキペディアを作り上げる
- ウィキ作成は、スタッフの士気が高まる
- 医者がちゃんと活用している姿もスタッフに見せ、患者さんにも提案力をアピールする
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