患者さん1人当たりの単価は高くてはいけません。
患者さん1人当たりの平均単価が高いと保険指導の理由になります。
このことは開業するまでは知らない方が多いかもしれません。
患者1人あたり平均1万5000円は高い
患者さんの保険点数の単価が高いと、国保や社保からの指導の対象となり得ます。
内科だと診療単価が大体、1500点(1万5000円)を超えると指導の対象となります。
超えてはいけない診療単価は各地域の厚生局ごとに違います。
指導は、平均の保険点数の高い、上位何割かが個別指導を受けることになります。
1度、個別指導を受けると次の年は受けないので、保険点数の高い上位の幅が少し広がります。
なので、診療単価が高い、ってことは良いってことではないんですね。
助手ちゃん
ごま氏
各科ごとの単価のめやす
事業計画を立てる時と個別指導を受ける単価は大きく違います。
事業計画を立てる時は、内科や整形は患者一人の単価が4000円で計算すると良いでしょう。
皮膚科・耳鼻科・眼科は単価2000円で計算して借入すれば、経営が苦しくなるような借入をするリスクが少なくなるでしょう。
一方で、個別指導を受けるラインは、内科・整形外科では1万5000円くらいからです。
その他の診療科では、8000円くらいから個別指導の対象になります。
- 内科と整形は患者1人につき4000円
- 皮膚科・耳鼻科・眼科は患者1人につき2000円
- 内科・整形外科は患者1人につき1万5000円
- 皮膚科・耳鼻科・眼科は患者1人につき8000円
助手ちゃん
ごま氏
臆病になろう
診療単価が高くなってしまう理由
これは過剰診療の一言に尽きます。
国は、医療費が膨張する過剰診療を嫌います。そのための個別指導なのです。
ガイドライン通りに診療すると過剰診療となる事もあります。
つまり、医学的に正しい診療が、保険診療として正しいとは限らない、ということです。
また過剰診療になりやすい理由として、過剰検査がひとつの焦点です。
これはCTやMRIなどの機械があるためについつい検査してしまう、ということが挙げられます。
手足のしびれ、頚部痛、腰痛、などで頭部MRI、頚椎MRI、腰椎MRIを撮影をしても指導を受ける事はありませんが、CTは使い方が難しいです。
「段階的な検査」が強く求められているので、腹痛ですぐにCT、とか、胸が苦しいのですぐにCT、という風では指導の対象となるかもしれません。
まずは胸部XPや腹部XP、エコーなどを実施して、わからない時に精査した、という流れが求められます。
また6か月以内に画像検査を実施すると縦覧点検に引っかかり、過剰検査と判定されます。
縦覧点検は「6か月以内の診療内容と照らし合わせて、過剰な診療が繰り返し行われていないかチェックする」という点検です。
糖尿病のHbA1cも3か月に1回以上は検査できません(糖尿病患者さんなら毎月検査でもOKです)。
また、保険診療において、このような過剰検査は例がいくつもありますが、過剰治療という事はありません。
- 段階的に検査していく事が望ましい
- 胸部・腹部・骨の病気に対してまずCT、はなるべく避ける
- 画像でのフォローアップは6か月以内は避ける(6か月以内の診療は縦覧点検の対象)
- 画像検査は7か月後に予約しておけばOK
- A1cの計測は3か月に1回
助手ちゃん
ごま氏
ガイドライン通りに診療すると、保険診療では望ましくない、ということは多々あるよ
診療単価を下げるには?
過去記事をupしておきました↓
診療単価を下げよう!稼働率の少ないCTをどう生かすか
過去記事をupしておきました↓
稼働率の良くないCTをどう生かすかまとめ
- 事業計画の単価は低めに設定
- 個別指導を受けないように単価を低く診療していく
- CTは導入しても積極的に検査をしづらい
- 半年以内の画像フォローアップは避ける
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