クリニック経営者から見た【儲かる診療科2020】

令和時代、これから儲かる診療科は、結論としては、整形リウマチ・美容外科・美容皮膚科・肛門科・静脈瘤治療・訪問診療・透析・フリーランス麻酔科・私立病院のヒマ科 です。

  • 整形リウマチ
  • 美容外科
  • 美容皮膚科
  • 肛門科
  • 静脈瘤治療
  • 訪問診療
  • 透析
  • フリーランス麻酔科
  • 私立病院のヒマ科
  • 近隣の基幹病院にない治療ができるクリニック

特にポイントとして強調したいのは、「近隣の基幹病院にない治療ができるクリニック」ということです。

儲かる科2020は、やはり美容外科

  • 未婚の人が自分にお金をかけるようになる
  • 昨今の画像加工アプリで、整形後の自分をイメージしやすい

 

美容外科が儲かるというのは、やはり鉄板でイメージ通りだと思います。

平成の時代も美容外科は儲ける事ができましたが、令和の時代になりさらに加速度的に収益を上げていくことなります。

 

スマホの画像加工アプリで美容外科の需要が増える

スマホの画像加工アプリで整形後の自分を手軽にイメージできるようになります。

また、AI(人工知能)が発達することで内科系の仕事が減り、手作業が重視される時代が来るからです。

AIでできる仕事はAIがやるように変わってきます。

テクノロジーと医療分野の融合はいつも決定が慎重になり、技術の導入が他の分野より遅れますが、必ずAI時代が訪れ、外科系の価値が高まってきます。

今後は、一般の職業でも、AIでは代用できない、芸術家という職業の価値が高まると言われています。

手作業かつ芸術の要素が必要な美容外科は、今後さらに「儲かる科」となっていくでしょう。

また、少子化の日本では、未婚の人が増え、自分にお金をかけるようになっていきます。

そうした時に自費診療はさらに受け入れられやすくなっていくと思います。

 

美容外科は令和の時代になぜ伸びる?

  • スマホの画像加工アプリで、整形後の自分を手軽にイメージしやすい
  • 人工知能の発達で、手作業・芸術分野が重宝され、美容外科はそのいずれの要素も持つ
  • 独身のライフスタイルが当たり前になり、自分にお金をかけるようになる

 

私も美容に興味あります

助手ちゃん

ごま氏

これからは美容に興味がある世代がそのまま年を重ねていくからね

 

あと加工アプリで盛った状態でSNSの世界に慣れているひとは、美容整形の手術を受けることにそれ程抵抗がなくなるだろうね

 

 

美容皮膚科は都市部から田舎まで選択肢が広い

美容皮膚科は、美容系でも田舎で開業できます

美容皮膚科は、美容外科と違って、都市部に限らず成功の可能性があります。

その一方で、美容外科は結局、都心部でしか成功しません

田舎で美容外科のクリニックがあったとしても、骨を削ったりする大きめの手術となると、やはり都市部のクリニックへ行きます。

そんな中、田舎や郊外でもクリニックとして大成功できる可能性があるのが美容皮膚科です。

基本は皮膚科の保険診療なので、近隣に皮膚科さえなければ、1日100-200人といったある程度の患者数は確保できます。

その多くの保険診療の患者さんの単価を美容部門で上げていくイメージです。

また、皮膚科なので、小さく低リスクで開業できる事も魅力です。

まずは部屋数だけたくさん作って、「歯科診療方式」でやっていくうちに、ひとつひとつ美容の機械を導入して施術をしていけば、少ないリスクで手を広げていったり単価を上げていくことができます。

田舎に実家があっても、美容皮膚科なら、実家の近くで無難に開業できますね

助手ちゃん

ごま氏

美容外科は都市部で開業することが必須になるけど、美容皮膚科は都市部・駅ビル・郊外・田舎と、開業する場所の選択肢が広いよね

 

  • 美容皮膚科 手術なし
  • 美容外科 手術あり

 

 

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肛門科はなぜ儲かる?

肛門科が儲かるのは、カメラの件数が多いからです。

消化器内科よりもカメラの件数が多いです

肛門科というと消化器内科よりも規模が小さいイメージを持つと思います。

ただ、消化器内科よりずっと儲かります

それは保険診療に秘密があります。

消化器内科で儲かる秘密は、内視鏡のポリープ切除です。内科の一般診療はそんなに儲かりません

つまり消化器内科で収益を上げるには、内視鏡検査・ポリペクの件数を増やすしかないのです。

消化器内科に受診して、当日いきなり「カメラやりましょう」だとびっくりしますよね。

その点、肛門科は、受診理由がだいたい下血なので、当日いきなりの「カメラしましょう」が受け入れやすいんですね。

そしてポリープがあればポリペクもできます。

来る患者さんのほとんどがカメラになる点で、肛門科は効率良く収益を上げる事が可能なのです。

またポリペクの点数は非常に高額であり、下がりません

これは保険点数を決めている機関に対して、数の多い消化器内科は要望が通りやすいので、ポリペクの点数がなかなか下がりません

ポリペクは、言わば「保険診療における聖域」なのです。

内視鏡がどのくらい費用対効果(経費に対する収益性)が良いかをMRIと比較してみました。

儲かりそうな医療 胃カメラ 大腸カメラ ポリペク MRI
1回分の売り上げ 1万 1.5万 5-7万 2万
初期投資 数百万 数百万 数百万 1億
年間ランニングコスト 数十万 数十万 数十万 500万
必要な職員 看護師 看護師 看護師 放射線技師

 

MRIは、磁場が安定するようにMRI室のシールド工事をしますが、それだけで1000万くらいかかります。

またMRI自体も数千万かかります。そしてメンテナンス費も年間500万かかり、電気代も1か月20万くらいになります。

そして放射線技師も雇用せねばならず、MRIは初期費用・ランニングコストともにかかります。MRIはものすごい金喰い虫です。

それに比べて内視鏡はやはり低コストで導入でき、ランニングコストも安く低リスクで大きなお金を生み出してくれる機械なんです。

 

肛門科で開業ならここを押さえよう

  • 大腸カメラ・ポリペクで収益化するイメージをもつ
  • 昼休みに痔の手術

 

MRIをたくさん撮影する施設の方が収益が高いイメージでした

助手ちゃん

ごま氏

MRIよりも内視鏡、特に大腸カメラとポリペクに特化することが低コスト、高利率を達成できるよ

クリニックの王様は整形リウマチ

  • 保険診療の王様と言えば整形外科
  • 中でも整形リウマチです

保険診療のクリニックの王様は何と言っても整形リウマチクリニックです。

上位モデルが、整形リウマチ・リハビリクリニックです

整形リウマチは、整形の患者数が多い事に加え、専門性の高いリウマチで幅広い痛みにも対応でき、特別な治療も多いです。

これでブロック注射もできれば体がもたないくらいの患者数が押し寄せてきます。

まだ科を迷っている学生さんや研修医の先生方は、開業の失敗が少ない整形外科がおすすめです。

そしてリウマチを専攻し、リウマチ因子(RF)陰性のリウマチを診断して生物製剤を使いこなして除痛してあげることが開業後の集患につながります。

余裕があればブロック注射をぜひ学びましょう。

ブロック注射はクリニックの収益化と直結し、ちょっと痛みの治療が得意なクリニックでも内服とトリガーポイント注射ばかりで、ブロック注射はやっていないところが多いのでしっかりと差別化できます。

 

整形で開業ならここを押さえよう

  • リウマチを専門にする
  • ブロック注射をできるようになる

 

痛みをとってあげられる科が重宝されるんですね

助手ちゃん

ごま氏

除痛の選択肢で、ブロック注射はクリニックでできる最も大きな武器だからね

近隣の基幹病院でブロック注射をあまりやっていないのなら、近隣からどんどん患者さんが流れてくるよ

 

 

下肢静脈瘤治療のクリニックも穴場

保険診療で外来手術をして収益化を計るのは、下肢静脈瘤の治療のクリニックです。

今はカテーテルによる静脈瘤治療も行われていて、保険点数も1万点を超えていて、1日数件やるだけでOKです。

大きな手術室も不要で、小さな部屋で手術ができます。

道具はエコーがあればOKです。血管撮影装置は不要です。初期投資も抑えられます。

患者さんを手術まで導くまで(特に受診まで)が大変ですが、一度クチコミが広がれば、大きな収益が見込めます。

都市部向きの仕事でもあり、ビル開業も可能です。

患者さんを集めるのが大変そうです

助手ちゃん

ごま氏

静脈瘤治療に特化して予約を固めて効率よく手術すれば、もうひとつつ別の仕事ができるくらいの時間が作れるよ
専門性の高いクリニックは少ない患者数で生き延びれるか?

 

 

訪問診療を小さなオフィスでやるのも正解

低コスト開業といえば小さなオフィスでの訪問診療

働く時間は最小限で、同時に別の副業ができるのも魅力です

小さいオフィスでの訪問診療も良いやり方です。

今後、保険診療は訪問診療に有利に変わってきます。

国の方針としても、医師は各家庭へデリバリーされ、普通なら病院へ入院する患者さんを、家で看ることになっていくでしょう。

つまり、看護師さんの仕事を、家族のひとが行い、ドクターが時々 往診へ行くというイメージを国は持っています。

まだ元気な60代、70代はクリニックに通院するパターンは変わりありませんが、80代、90代ではこのような診療スタイルが普通になっていきます。

往診や訪問診療はドクター1人では無理です。

なので、地域で複数人の先生と組んで患者数を増やしていく形になります。

特別大きな診療所や機械は必要ないので、事務所程度のサイズで、規定を満たしていればすぐ開業できます。

往診を専門にするのは低コストで、かつニーズに沿っており、非常に合理的なのです。

失敗してもすぐに撤退できるし、仮に撤退した時に困る患者さんが多いイメージがあると思います。

困る患者さんが多いイメージがある、ということはニーズが高いということであり、そもそも潰れませんから安心してください。

また、往診クリニックは、開業の中でも、低リスクで医師を雇う経営者になる可能性のある業態です。

 

往診専門の開業

  • 低コストで始められる魅力を十分に生かす
  • 仲間を集めて副業にしてもらう

 

患者さんが多くても認知してもらうのに時間がかかりそうです

助手ちゃん

ごま氏

そもそも内科だから患者さんの増え方は極めてゆっくりだね

のんびりと周知されていくイメージだね

まとめ

  • これから儲かるのは、やはり美容外科
  • 美容外科のリスクに抵抗あれば、美容皮膚科
  • 保険診療の王様は、整形リウマチクリニック+ブロック注射
  • 下肢静脈瘤の治療や往診クリニックをしつつ副業もこなすのもあり
  • 往診クリニックなら、医師を雇用して、経営者になれるかも

 

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7 COMMENTS

医大生

初めて連絡を差し上げます。
私立医大5年生です。

自分が志望診療科で悩む中、将来開業を目指す上で先生の貴重な情報は、大変参考になりました。

お尋ねしたいことが一点あります。
保険診療をベースに開業を考えると、低リスクで成功しやすいのは、整形外科リウマチ分野と伺いました。
しかし、整形外科は開業に多大な資金が必要であり、リウマチをカバーできるまでしっかり学んでからの開業となると年齢を重ねてしまい、今後大幅な融資を受けるのが可能かどうか心配しております。

先生は診療科ごとの開業に至るまでの期間と融資に関してどのようにお考えでしょうか。

不躾な質問で大変恐縮ではありますが、
何卒よろしくお願いいたします。

返信する
phk68709

コメントありがとうございます。

医大5年生の時は、ポリクリが始まり、将来を真剣に意識する節目の時期だと思います。

開業時のリスクの大きさは、規模の大きさだと思います。

確かに整形リウマチは、ビル開業系と比べると、開業時に多額の融資を受ける必要があります。

年次を重ねてからの開業だと、融資額も少なくなります。

整形リウマチを卒後10-12年目で開業するのが、収益面で「勝てる」見込みの高い開業時期だと思います。

リウマチをそれ以上やっても、それ以前にしっかり学べば、診療内容はクリニックとしてはほぼ同じであとは、実力の差が仮にあったとしても、システムや接遇で十分巻き返せます。

別の記事に書く予定ですが、「2km以内に整形外科」が1件の立地なら十分に収益化できると思います。

診療科ごとの開業までの年数は、

内科・・・卒後7-8年目
往診専門・・・卒後4年目
皮膚科・・・卒後7-9年目
耳鼻科・・・卒後7-9年目
整形・・・卒後10-12年目
脳外・・・卒後10-12年目

が、医局の絡みさえなければ効率が良いと思います。

返信する
医大生

質問に丁寧に回答していただき、
ありがとうございます。
診療科を考える上で大変勉強になりました。

また、追加での質問となりますが、
自由診療ベースでの開業を目指す場合、

美容外科を専攻するならば、
①形成外科専門医を取得後に大手美容外科に就職する
②研修後大手美容外科にそのまま就職する
③他の科からの転科

などのキャリアパスがあると考えています。
先生は美容外科への参入には4,5年の歳月をかけてでも形成外科専門医を取得するメリットは大きいと考えますでしょうか。

何卒よろしくお願いいたします。

返信する
phk68709

コメントありがとうございます。

①形成外科専門医を取得後に大手美容外科に就職する
②研修後大手美容外科にそのまま就職する
③他の科からの転科

これはとても悩ましいと思います。

ただ、自分の中ある答えとしては、

最終的な働き方のイメージとリスクの取り方で、キャリアプランを選択するのが良いように思われました。

最終的に、自分で手術もやっていきたい、自らの手で治したい →①③

最終的に、クリニックを人に任せたい、自分は経営に回りたい →②

美容外科の収益を上げられるノウハウをサクッと学ぼうと思わば、すぐに大手就職するのが早いです(②)。

一方で、自分で手術して、自分で患者さんをキレイにして、自分で患者さんを救う事にやりがいを感じる、という場合も多くて、その時はしっかりとした実力をつけるために形成外科専門医取得コースを目指すという事になります(①③)。

あとは、クリニックの収益化だけ早いうちにしておいて、形成外科の医局員や名人(指導医)にアプローチして自院にバイトに来て頂きながら技術を学び、報酬を払うというパターンです(②?)。専門医取得はできませんが、実力は付きます。若いうちに収益化できた歯医者さんはこのパターンを選んでいます。
多分、歯科のみなさんは、専門医取得にそれ程こだわりがない先生も多く、経営効率を考えた結果だと思います。

ドクターの実力と、クリニックの収益化は、比例しないので別軸で考える、という発想です。

返信する
医大生

大変ご貴重な意見をくださり
ありがとうございます。

実力と収益化は別軸という考え方は非常に勉強になりました。

先生の論理的で実践的な投稿をいつも心待ちにしております。
これからもよろしくお願いいたします。

返信する
かけやま

コメント失礼します。
形成外科医を目指す初期研修医です。いつも大変為になる記事をありがとうございます。拝見させております。

ごま先生が仰るように、将来的に開業の際の武器として、形成外科専門医取得後、下肢静脈瘤血管内焼却術実施医の資格を取りたいのですが、大きな病院では血管外科の先生が治療していることが多いと思われます。
形成外科からの実施医となられた方々どのような経緯を辿られているのでしょうか。
もし、ご存知であればご回答の程お願いいたします。

返信する
phk68709

コメントありがとうございます。

下肢静脈瘤のカテーテル専門医は、

静脈瘤の専門クリニック

で常勤勤務をしつつ、取得している方が多いです。

クリニックで技術を学ぶ時は、

・専門のクリニックなら、効率良く専門医を取得できる

・しかし、なかなか辞めさせてもらえない

このメリット・デメリットをよく知っておくと良いと思います。

具体的には、開業の意思があることを初めに伝え、

何年契約で勤めたい、という論調がベターです。

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